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2013年01月25日

【書評】『一度売ったお客様に、三度売りなさい!』(村山哲治 著 日本実業出版)

一度売ったお客様に、三度売りなさい!

営業や販売の教育やコンサルタントを行う会社を経営し、講師としても20年の実績を持つ村山哲治氏の著作。

Web制作コンサルタントも行っているとあり、ネットビジネスに関するアイデアを期待して購入しました。

本書は、いわゆる一般的な物販の営業を念頭に書かれていますので、直接ネットビジネスに関する項目があるわけではありません。

しかし、ネットビジネスで物販をするのであれば、通じるところも多くあります。

特に、ネット上では顔が見えないこともありますし、メールによるアプローチも飽和状態ですから、DMが開封まで行き着くのも困難です。

そんな中で、ネットで「一度売ったお客様に、三度売る」ことを考えながら読みました。

さて、本書は「新規開拓の営業はあきらめなさい」という言葉から始まります。

何でも、新規開拓の営業コストは、既存顧客をフォローするコストに比べ、5倍にも及ぶそうです。

それならば、と納得したくなりますが、そもそも既存顧客のフォローでビジネスが成り立つ規模の、顧客リストを持っていることが前提であることに注意しなくてはいけません。

立ち上げたばかりのビジネスでは、新規開拓はやむを得ないとも言えるでしょうか。

一度買ってくれた顧客は、二度目は割合と製品を購入してくれるものだといいます。

難しいのは、三度目から。

二度目と三度目の販売の壁を越え、三度目の販売につなげる手法が解説されています。

概して、多くの営業は、売りっぱなしのケースが多いようです。

三度の販売を念頭に置くならば、まず一度売った既存の顧客の現状を分析し、二度目の販売への備えを検討するところから始めることを著者は勧めています。

顧客の情報を整理した上で、コミュニケーションをとり、使用中の製品の感想などを聞きながら、顧客の情報もアップデートしていきます。

時間を置かずに、継続的なコミュニケーションを続け、二度目、三度目へのアプローチに備えます。

本書では、その際に用いる戦略として、「シナリオを描く」「質問力をみがく」「洞察力を高める」「提案力を高める」「効果的なプレゼンを行う」といった項目があげられていて、各戦略について細かな説明がなされています。

興味深かったのが、「再訪問の口実として使ってはいけないフレーズ」というところ。

「お忙しいところ、恐れ入ります。」

「少々お時間よろしいでしょうか。」

「今お近くまで来ているのですが、伺ってもよろしいですか。」

いずれも、普通に使ってしまいそうなフレーズですが、著者の村山哲治氏によると、相手に不快感を与える可能性のあるNGワードだと言います。

いずれも、ふさわしい別の言い回しが紹介されていて、言われてみると納得できます。

もう一点あげるならば、「クロスセル」「アップセル」を取り上げた箇所。

レコメンドサービスとして、目的の商品に関連する商品を提案する中で、「クロスセル」を行う重要性を著者は説いています。

実際の営業の現場では、この「クロスセル」を躊躇する人が多いそうです。

しかし、村山氏は、クロスセルは「お客様のために、提案する営業方法」で、言わば営業マンの使命であると断言しています。

この本のタイトルである、「一度売ったお客様に、三度売りなさい!」にも通じますが、本当に顧客の利益となるならば、躊躇することなく、後ろめたく思うこともなく、使命として売る、というのが著者の姿勢。

私も、こちらの売る気ばかりでは、引かれるのでは、と思っていた口ですが、この姿勢に触れて腑に落ちました。

ついでに、アップセルについては、顧客のニーズとタイミングが合ったときにのみ提案が有効である、としています。

本書は、営業のいろはから、細かなテクニックまで、かなり広範に網羅しています。

私は、営業に関しては門外漢ですが、顧客の視線に立ってみても、こんな営業ならば買わないまでも話しが聞きたい、と思う例話が多く書かれています。

逆に、顧客のフォローにしても、二回目、三回目の購入へのアプローチにしても、実際の営業現場でなおざりになっている実態を実感します。

車の営業は売りっぱなし、保険の営業は挨拶にも来ない、自分の都合のいいときだけ現れる営業が、身の周りにあふれていませんか。

実務として営業をされている方には、ヒント満載の有意義な一冊だと思います。

営業について学びたい方、マーケティングのヒントを探している方にもお薦めします。









posted by Ken at 06:01 | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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