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2013年01月26日

【書評】『「たった1人」を確実に振り向かせると、100万人に届く。』(阪本啓一 著 日本実業出版社)

「たった1人」を確実に振り向かせると、100万人に届く。 (「市場の空席」を見つけるフォーカス・マーケティング)

ブログを書いていると、どうすれば画面の向こうの人たちを振り向かせることができるのか考え始めます。

多くの人に関心をもって欲しいので、ついつい万人受けするような記事を書きたくなります。

でも、ブログを見る人は、万人受けするような情報を求めてはいないことも分かっています。

そんな矛盾の狭間で、目にしたのがこの本。

「たった1人」に向けて書いた記事が、あなたを振り向かせると、口コミやSNSを通じて、やがて100万人に届くと読めたのです。

現実的には、なかなか困難なことだとは思いますが、アイデアに富んだ面白い本でした。

著者は、マーケティング・コンサルタントの阪本啓一氏。

コンサルタントとして、多岐にわたる企業をクライアントとして活躍されているようです。

失礼ながら、阪本氏のことは存知上げませんでしたが、プロフィールの中に、訳書として『パーミションマーケティング』があるのを見つけました。

Yahoo!の副社長も務めた、米国のマーケティングの大家の著作です。

10年以上前に、マーケティングという言葉さえ知らず、ビジネス書らしい?!本を読みでみたくて購入した本です。

内容については、ほとんど覚えていませんが、「パーミションマーケティング」という言葉だけは、強く印象に残っています。

さて、本書は、これまでの資本主義の仕組みが変わりつつある中で、著者が第4次産業革命と呼ぶ時代にめざすべきマーケティングについて語った本です。

第4次産業革命の大きな特徴は、インターネットがインフラ化した社会であるということ。

ウェブ、eメール、SNSが日常生活に入り込み、よく言われるように情報の洪水の中にいるかのような社会。

その情報の騒音の中では、いくら顧客に呼びかけても届きません。

著者の阪本啓一氏による、「アテンション(注目)が、希少資源になってくる」という言葉が印象的でした。

では、希少なアテンションを得るにはどうしたらよいのか。

重要になってくるのは、「顧客のこころとの感情的絆づくり」。

それを踏まえて、ビジネスを考えていく必要があるといいます。

まず、自分のビジネスのコア・アイデアを明確にすること。

「マーケティングの本質とは、アイデアを広めること」で、コア・アイデアは広まりやすいものであることが必須の要素となります。

では、広まりやすいアイデアの条件とは、何なのか。

阪本氏によると、

「シンプルであること」

「伝えた相手が何らかの得をする」

「つい伝えたくなる面白さ」の3つが条件となるそうです。

ビジネスのコア・アイデアは、企業側の論理で決まることが多い気がします。

上記3つの条件に当てはめることができるアイデアというのは、数えるほどしかないのが現実ではないでしょうか。

一方で、顧客である個人は、1人ひとりが、興味・関心であるインタレストを持っています。

そのインタレストを中心にグループが作られることもあります。

シンプルにそぎ落とし、精査された、ビジネスのコア・アイデアと、個人のインタレストが、合致したときにこそ、はじめて顧客に受け入れられ、

やがて同じイントレストを共有するグループへとビジネスが広がっていく、というのが、著者の唱える新しいマーケティングの姿です。

確かに、と腑に落ちる話しが多く、ビジネスのアイデアの大切さを、あらためて感じさせられます。

ここまで、厳密に絞り込んだ目標を立てられているのかと、自らを振り返らざるを得ません。

そうしたマーケティングを、効果的に行うために、ブランド化を意識するとか、「1人」を意識したソーシャルメディアの利用法、デジタルだけでなく、ハガキや手紙、対面のつきあいも大事ですよと言った話しが続きます。

最後に著者は、この「1人を振り向かせる」マーケティングを「フォーカスマーケティング」と名付けています。

まさに、これからのあるべき、マーケティングの姿だと思います。

情報があふれ、人々の嗜好は多様化し、物を買わない時代と言われます。

しかし、著者も言うように、本当に自分のイントレストと合致した商品が目の前に現れたら、ためらうことなく手を伸ばす時代でもあると思います。

面白いエピソードが多用されて、分かりやすい文章で書かれた、マーケティングの本です。

日々のビジネスに行き詰まりを感じている方に、ぜひ読んでいただきたい本です。







posted by Ken at 14:36 | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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