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2013年02月02日

【書評】『大富豪インド人のビリオネア思考 〜富と幸福を約束する「ジュガール」』(サチン・チョドリー 著 フォレスト出版)

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サチン・チョードリー『印僑大富豪の教え“ジュガール”』


大富豪インド人のビリオネア思考


著者のサチン・チョドリー氏は、日本企業のインドでの事業展開をサポートし、事業開発、マーケティング、M&Aなどを支援する事業などを行っている事業家です。

その以外にも、経営コンサルタント、IT企業など複数の会社を経営する他、大学でも教鞭をとるなど、日本とインドを橋渡しする、今注目を集めている経営者です。

日本とのつながりは、幼少期に来日し、バブル期の東京で過ごす経験までさかのぼります。

23歳で再来日して、日本の会社に就職し、営業職に就きますが成績は鳴かず飛ばず。

たまたま、インドに帰国した際に、「ジュガール」の本質に触れ、日本での生活に「ジュガール」を取り入れたことから、生活は変化し始めます。

やがて、仕事でも営業成績が、全国でトップとなり、やがて独立。

事業を行う傍らで、「ジュガール」の伝道師として活躍されています。

サチン・チョドリー氏の教えを受けて、成功を収める起業家も出てきています。

「おもてなしコンシェルジュ」として、ホテルのイベント企画、コンサルタントなどとして事業を展開する黒岩友美氏、

サンチ・チョドリー氏をメンターと公言し、情報商材の販売などで、他を寄せ付けない強さを誇り、大躍進を続ける与沢翼氏、

といった門下生も輩出しています。

本書でも、お二人のエピソードとともに成功の秘密が明かされていて、興味深く読みました。

本書は、日本で初めての「ジュガール」の解説書だそうです。

さて、この「ジュガール」とは何なのか。

「問題解決ソリューション」?、「成功を得るための叡智が凝縮」?などと形容されていますが、ピンときません。

著者も、この質問を多く受けるといいますが、日本語には「ジュガール」に当てはまる言葉が見つからないといいます。

それは、日本人が昔から大切にしている価値観の「仁」「徳」「義」「侠」といった語を外国人に説明するようなもののようです。

一言で言い表せない代わりに、7つのキーワードをあげ、「ジュガール」を解説しています。

1. 少ない力で多くのものを得る

2. 自分の枠を超えた発想で考え、行動する

3. やわらか頭で考えてピンチをチャンスにする

4. シンプルに考える

5. 決してあきらめない

6. 自分を抑えつけない

7. セルフ・エフィカシー(自己効力感)を大事に育てていく

一つひとつの説明はよく分かります。ただ、それがまとめて「ジュガール」だ、となると、何となくつかみ所が無くなる印象です。

しかし、その中でも、7番目のセルフ・エフィカシーという言葉は、重要に感じました。

自己効力感などと言うと、難しい感じがしますが、ようするに「自分ならできる」という感覚。

これが、「ジュガール」において、とても大切だそうです。

セルフ・エフィカシーを大きくふくらますことで、潜在能力がどんどん引き出されてくるといいます。

続いて、「ジュガール」を仕事に生かす秘訣が紹介されています。

次の3つの要素が、成功を得るための欠かせない条件だといいます。

1. 販売力(アピール力)をつけて、顧客を自分のファンにする

2. 駆け引きのできる会話力と交渉力をつける

3. 即電話、即ビジネスのスピード力をつける

それぞれについて、日本人の常識だと??と思うようなエピソードが紹介されています。
インド的発想、「ジュガール」の思想が、おぼろげながら見えてきます。

中でも、3番目のビジネスのスピードの重要性について、「ラピッド・プロタイピング手法」を例に解説している箇所は興味深い話しです。

時間のかかる研究開発プロセスを行わず、製品開発において、敏速に試作することを目的とする手法で、「ジュガール」をビジネスに生かす、ジュガール・イノベーターの強さを感じます。

近年のビジネスにおいては、絶対的にスピードが重要視されています。

最近読んだ、

マイケル・マスターソン氏の著書、『大富豪の起業術』でも、くり返し述べられていましたし、

http://greenhand.seesaa.net/article/316379211.html

ジェフ・ウォーカー氏の開発した「プロダクトローンチ・フォーミュラ」も、「ラピッド・プロタイピング手法」と共通した部分があります。

http://greenhand.seesaa.net/article/317045294.html

「ジュガール」的発想の中に、潜在的に先進的手法が眠っていること、これがインドの強みだと感じざるを得ません。

さて、では実際に「ジュガール」を学び、あらゆる場面や瞬間で使いこなすためにはどうしたらいいのか。

トレーニング方法が4つのステップで紹介されています。

1. ジュガールを強く意識する

これはメンタルトレーニングに近いといいます。

2. ポジティブ・パラダイムに入る

ものごとをポジティブにとらえることを習慣化すること。

3. キーワード・マネジメントを習慣にする

自分が打ち出すべきキーワードを知り、相手のキーワードをとらえ、かゆいところに手が届く感覚でキーワードを管理する。

このキーワードは、まさに可能性の扉を開くキーとなる重要な要素だそうです。

「ジュガール」を生かすには、自分ひとりで何もかもできるわけではなく、周りの人やチャンスの力を借りて、いい流れに乗せることが大切です。

印象的な言葉がありましたので、抜粋します。

「まず自分自身を"うまくいい流れ"に乗せて、周りの人をその流れに引き寄せるようにしてください。・・・(中略)・・・しばらくは、その"いい流れ"を太くしていくことに力を注ぎ込むようにしてください。すると、あなたが"いい流れ"をつくっていることに関心を寄せてくれる人が必ず現れます。」

まさに、私自身が今やるべきことを示された言葉でした。

「ジュガール」日本の復活の鍵になると、著者のサンチ・チョドリー氏は言います。
著者の視点から見た、日本の復活へのヒントは力づけられます。

インド人の価値観や性質と、「ジュガール」の生まれた背景についても触れられています。

そして、欧米諸国で今、「ジュガール」が注目を集めている訳も分析しています。

「ジュガール」が日本人に分かりにくいのは、「勝ち残るソリューション」「苛酷な状況でも闘える知恵を身につける」といった一面を持っていることと無関係ではないようです。

成熟した先進国では、生活インフラが整い、モノがあふれ、情報があふれ、何不自由なく暮らしています。

それに対して、インドは成長著しいとはいえ、すべてが整っているわけではありません。
ある種のハングリーさなしには、「ジュガール」による成功はないようです。

一方で、「ジュガール」は「周りとつながるためのソリューション」だともいいます。

震災以来、日本人が求めているものが、ここにあるということです。

で、結局「ジュガール」って何?ということになりますが、「ジュガール」を学ぶ日本人の経験談の中に、ヒントとなりそうな言葉がありました。

「自分を裏切らない行為をする」それが、「ジュガール」を用いた生き方もうまく言い表しているように思いました。

これまで、アメリカの文化を各国がまねて、世界が発展してきました。

日本も同様です。日本的なもの、が世界で大きく評価されることはありましたが、それは先進国の中での話し。

発展途上にある国の文化、価値観から先進国が学ぼうとしているという例は、この「ジュガール」が初めてのケースではないでしょうか。

それだけに、興味は高まりますし、ぜひもう少し深く学んでみたいと思いました。

インドとビジネスをしている方はもちろん、新たな成功法則、成功へのヒントをお探しの方にもお薦めします。





サチン・チョドリー氏から、直接「ジュガール」の手ほどきを受けられるようです。


サチン・チョードリー『印僑大富豪の教え“ジュガール”』





posted by Ken at 13:36 | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月29日

【書評】『プロフェッショナルの情報術』(喜多あおい 著 祥伝社)

プロフェッショナルの情報術 なぜ、ネットだけではダメなのか?

この本の著者、喜多あおいさんはテレビの現場などで活躍するリサーチャーを職業とされています。

本の帯には、タレントの森三中メンバーの夫としても知られる、放送作家の鈴木おさむ氏が推薦の言葉を寄せていて、興味を惹かれて手に取った本です。

情報術の本というと、これまでビジネスの現場や、学術的な情報整理の話しが一般的でした。

リサーチャーもビジネスといえばそうなのですが、ある意味で特殊な業界で働く著者ならではの視点は、独特です。

また、女性の視点で語られる情報術は、とても分かりやすく、読みやすい本に仕上がっています。

リサーチャーというのは、テレビ業界を中心に、華やかな現場で仕事をするイメージですが、実際には、同時に様々な仕事をこなす激務のようです。

情報バラエティー番組、ドラマ、クイズ番組、ドキュメンタリー番組などの裏方として、情報を集め、集約し、提案し、また、手元の情報の裏を取るなど、情報のプロフェッショナルとして、番組を支えています。

また、著者の喜多あおいさんは、リサーチャーという職業に就くまで、出版社、新聞社のデータベース構築、情報から発想を得てベストセラーを書き続ける作家の秘書など、一環して情報に関わる仕事をしてきています。

著者の、豊富な経験を通して獲得した情報術からは、多くのことを学ぶことができます。

まず、最も印象深かったのが「固有名詞」で話すことの大切さ。

情報に長けた人は、固有名詞に強いというのです。

有能な構成作家の方などは、インプットした固有名詞を良く覚えていて、そこに自分のアイデアをのせて、自分の言葉にして発信できるといいます。

また、固有名詞を多用する会話は面白いので盛り上がり、会話から発想を得たり、自分のアイデアを昇華して発想する機会も自然と増えるのでしょう。

物事を、「あれ」、「これ」、と言ってみたり、一般名詞を使うよりも、固有名詞で話したほうが印象に残り、強いインパクトを残します。

物事を、何となく見たり、聞いたりしている自分を振り返り、ぜひ取り入れたい習慣だと思いました。

また、情報収集に関しても、著者ならではの方法論が語られていて参考になります。

調べ物をするとなると、「まずインターネットで」となりますが、それはNG。

以前ならば、「図書館へ」ということになりますが、それも違うといいます。

まず、準備が肝心。何を調べるのかという目的を確認することが第一というのです。

その目的は、自分の知りたいことであったり、人に伝えるべきことであったりしますが、そこがはっきりしないまま調べても、成果は出ないと著者は断言しています。

言われてみると、的を得た話しで、調べ物のつもりが、いつの間にかネットサーフィンに興じてしまうことの多い自分の姿を反省します。

調べる目的が、きちんと固まって初めて、リサーチを始められるのです。

著者によると、リサーチはまず、全体をくまなく網羅した上で、情報を分類し、整理することが大切だそうです。

情報を網羅するには、書籍、新聞、雑誌、インターネット、対人取材をソースとすることが基本で、この順に情報を集めることが大切とのこと。

それぞれのメディアには、明確な役割があり、それを意識してこそ、有効なリサーチができるそうです。

そうして網羅した情報集めた上で、5W1Hにそって分類し、足りなければ補足し、最終的なリサーチ結果となります。

私も、日常的に、書籍、新聞、雑誌、インターネットに触れていますが、著者のいう役割を考えると再確認させられることも多く、日常生活にも生かせるアイデアを得ることができました。

ブログを書くこともそうですが、情報を発信することに関わる、マナーであったり、責任についても多く触れられています。

また、身の周りの情報と、どうつきあうかという視点からも著者の考え方は参考になりました。

最後に強く意識したいこととして、「分からない言葉を放置しない」、

これが情報力を高める上でとても大切であることを実感しました。

著者も含めて、情報を尊重し大切にする人は、メモを取ったり、その場で調べたり、努力を怠らないようです。

そうした積み重ねが、血となり肉となり、アウトプットできる情報として蓄えられていきます。

他にも参考になることが多い本です。

簡易な文章で、分かりやすく情報術を解説した良い本だと思います。

ビジネスにも、日常の調べ物にも活用できるアイデアを、ぜひ活用したいと思います。





posted by Ken at 07:01 | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月26日

【書評】『大富豪の起業術 上巻』(マイケル・マスターソン 著 ダイレクト出版)

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いくつもの会社を持つ経営者であり、ダイレクト・レスポンス・マーケティングの第一人者、スーパー起業家とも呼ばれる著者、マイケル・マスターソン氏による著作。

ベンチャー企業の成長段階ごとに、何をすればいいのか、どうすれば次のステージへと進むことができるのか、著者のマイケル・マスターソン氏の経験を元に詳細に綴られています。

まず、断っておかなくてはいけないのが、この本は上下巻のセットとなってします。

書評というのは、上下巻とも読んだ上で、書くものだと思いますが、実は、まだ上巻しか読んでいません。

とても読み切れずに、断念したのか、と問われればその反対。

上巻だけでも、豊富な内容に圧倒されます。気づきも多くあり読み応え十分。

ここで書いておかないと、下巻を読んだあとでは記憶が薄れてしまいそうですし、とても長い文章になってしまいそうです。

下巻については、追って別に書きますのでご了承ください。

さて、率直な感想を述べると、「どうして日本人には、こんな本が書けないのかな」ということ。

成功のレベルが違うとか、訳文がそれらしく見せているという要因があるにせよ、「アメリカ人の書いたこの手の本は、本当に内容が濃いな」と思います。

きわめて実践的で、現実に即したヒント、アイデアが次々と提示される内容は、日本人の書いた本ではほとんど出会えません。

では、内容を見ていきましょう。

まず述べられているのは、マスターソン氏の仕事観。

人生における最も重要な決断は、次に挙げる3つのWと言われています。

1. What : 何をするか。

2. Where : どこでするか。

3. Who : 誰とするか。

これは、一般的に言われることですが、マスターソン氏は付け加えて、

4. When : いつ。

が重要だと言います。

「いつ」仕事をするか、というのはもちろん「いつ」休むか、この「いつ」を自分でコントロールできることが大切としています。

これらの価値観を実現するために、述べられているのが、本書の内容です。

著者のマイケル・マスターソン氏は、起業の成長段階を次の4つの段階に分類しています。

・ステージ1:幼年期−スタート期
年商ゼロから100万ドル(ゼロから1億円)

・ステージ2:少年期−急成長期
年商100万ドルから1000万ドル(1億円から10億円)

・ステージ3:青年期
年商1000万ドルから5000万ドル(10億円から50億円)

・ステージ4:成人期
年商5000万ドルから1億ドル以上(50億円から100億円)

上巻では、「幼年期」と「少年期」の途中、半分までが書かれています。

「幼年期」とは、文字どおり、生まれたてのベンチャー企業を指します。

各ステージごとの問題点があげられているのですが、この「幼年期」に関しては、

「自分が何をしているのか、よくわかっていない」とあります。

また、主な課題として「販売による利益を初めて出す」と書かれています。

全く同感できる話しに思わずうなりました。

ステージに関わらず、ベンチャー企業の成功の4つの側面として、次の4つがあげられています。

この4つの役割の担い手が、経営陣の中にいる必要があるとのことです。

1. 販売役 : 商品を市場に出す人

2. 改良役 : 商品を改良する人

3. まとめ役 : 事業がスムーズに進むようにまとめる人

4. 推進役 : 各自にやるべき仕事をさせる人

この中で、最も重視するのが販売すること。

マスターソン氏が、くり返し述べているのが、この「販売する」という当たり前のことを、企業の最優先事項とする、ということ。

起業しようと思うと、まず社名、オフィス、名刺、ホームページ、電話、机など、会社の形、外観を整えようとしがち。

書店の棚をのぞいても、株式会社にするか、有限会社がいいか、登記は自分でするか、専門家にまかせるか、まずホームページを作りましょう、税理士はこれくらいの費用がかかる、などの内容の本が並んでいます。

しかし、会社の立ち上げには、まずキャッシュフローを生み出すことが大切。

商品を販売することに集中すること。

それ以外は、それほど重要なことではない、と述べられています。

この重要ではないことに、時間と資金を費やしてしまって、スタートアップに失敗する例が多いようです。

私も、そういうものだと思っていましたし、案外こういう起業プロセスに取り組む方も多いのでは?

しかし、「販売に集中しろ」というメッセージは、目からウロコの発想でした。

そう言われてしまうと、このブログも、まずデザインをどうしようかとか、SNSとの連携が大事とか、アクセス数が、とか考えてばかりでした。

大事なのは、コンテンツを作り続けること。1つでも多く記事を書くことなのだと気づかされました。

その他にも、OSS(最適販売戦略)の解説や、キャッチコピーの書き方、などについて記述されています。

いずれも、具体的かつ実践的な内容で、自分のビジネスに当てはめて考えると、すぐにアイデアが浮かんできそうな話しばかりです。

このあとは「少年期」、「青年期」、「成熟期」へと続きますが、

充実した内容だけに、この「幼年期」だけでも満腹な感じがあります。

常に傍らに置いて、教科書としていも使えそうです。

副業をお考えの方、起業したてで何から始めようかと迷っている方は、ぜひ読んでみてください。

下巻の書評もお楽しみに。(近日公開予定!)


一般の書店では購入できませんので、ご注意ください。

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こちらから購入できます。(ダイレクト出版のサイトに移動します。)
※今なら30日間の「無料お試し」実施中です


同じく、マイケル・マスターソン氏の著書
大富豪の仕事術』の書評も書いています。よろしければ、ご覧ください。
http://greenhand.seesaa.net/article/315542811.html




posted by Ken at 17:48 | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【書評】『「たった1人」を確実に振り向かせると、100万人に届く。』(阪本啓一 著 日本実業出版社)

「たった1人」を確実に振り向かせると、100万人に届く。 (「市場の空席」を見つけるフォーカス・マーケティング)

ブログを書いていると、どうすれば画面の向こうの人たちを振り向かせることができるのか考え始めます。

多くの人に関心をもって欲しいので、ついつい万人受けするような記事を書きたくなります。

でも、ブログを見る人は、万人受けするような情報を求めてはいないことも分かっています。

そんな矛盾の狭間で、目にしたのがこの本。

「たった1人」に向けて書いた記事が、あなたを振り向かせると、口コミやSNSを通じて、やがて100万人に届くと読めたのです。

現実的には、なかなか困難なことだとは思いますが、アイデアに富んだ面白い本でした。

著者は、マーケティング・コンサルタントの阪本啓一氏。

コンサルタントとして、多岐にわたる企業をクライアントとして活躍されているようです。

失礼ながら、阪本氏のことは存知上げませんでしたが、プロフィールの中に、訳書として『パーミションマーケティング』があるのを見つけました。

Yahoo!の副社長も務めた、米国のマーケティングの大家の著作です。

10年以上前に、マーケティングという言葉さえ知らず、ビジネス書らしい?!本を読みでみたくて購入した本です。

内容については、ほとんど覚えていませんが、「パーミションマーケティング」という言葉だけは、強く印象に残っています。

さて、本書は、これまでの資本主義の仕組みが変わりつつある中で、著者が第4次産業革命と呼ぶ時代にめざすべきマーケティングについて語った本です。

第4次産業革命の大きな特徴は、インターネットがインフラ化した社会であるということ。

ウェブ、eメール、SNSが日常生活に入り込み、よく言われるように情報の洪水の中にいるかのような社会。

その情報の騒音の中では、いくら顧客に呼びかけても届きません。

著者の阪本啓一氏による、「アテンション(注目)が、希少資源になってくる」という言葉が印象的でした。

では、希少なアテンションを得るにはどうしたらよいのか。

重要になってくるのは、「顧客のこころとの感情的絆づくり」。

それを踏まえて、ビジネスを考えていく必要があるといいます。

まず、自分のビジネスのコア・アイデアを明確にすること。

「マーケティングの本質とは、アイデアを広めること」で、コア・アイデアは広まりやすいものであることが必須の要素となります。

では、広まりやすいアイデアの条件とは、何なのか。

阪本氏によると、

「シンプルであること」

「伝えた相手が何らかの得をする」

「つい伝えたくなる面白さ」の3つが条件となるそうです。

ビジネスのコア・アイデアは、企業側の論理で決まることが多い気がします。

上記3つの条件に当てはめることができるアイデアというのは、数えるほどしかないのが現実ではないでしょうか。

一方で、顧客である個人は、1人ひとりが、興味・関心であるインタレストを持っています。

そのインタレストを中心にグループが作られることもあります。

シンプルにそぎ落とし、精査された、ビジネスのコア・アイデアと、個人のインタレストが、合致したときにこそ、はじめて顧客に受け入れられ、

やがて同じイントレストを共有するグループへとビジネスが広がっていく、というのが、著者の唱える新しいマーケティングの姿です。

確かに、と腑に落ちる話しが多く、ビジネスのアイデアの大切さを、あらためて感じさせられます。

ここまで、厳密に絞り込んだ目標を立てられているのかと、自らを振り返らざるを得ません。

そうしたマーケティングを、効果的に行うために、ブランド化を意識するとか、「1人」を意識したソーシャルメディアの利用法、デジタルだけでなく、ハガキや手紙、対面のつきあいも大事ですよと言った話しが続きます。

最後に著者は、この「1人を振り向かせる」マーケティングを「フォーカスマーケティング」と名付けています。

まさに、これからのあるべき、マーケティングの姿だと思います。

情報があふれ、人々の嗜好は多様化し、物を買わない時代と言われます。

しかし、著者も言うように、本当に自分のイントレストと合致した商品が目の前に現れたら、ためらうことなく手を伸ばす時代でもあると思います。

面白いエピソードが多用されて、分かりやすい文章で書かれた、マーケティングの本です。

日々のビジネスに行き詰まりを感じている方に、ぜひ読んでいただきたい本です。





posted by Ken at 14:36 | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月25日

【書評】『一度売ったお客様に、三度売りなさい!』(村山哲治 著 日本実業出版)

一度売ったお客様に、三度売りなさい!

営業や販売の教育やコンサルタントを行う会社を経営し、講師としても20年の実績を持つ村山哲治氏の著作。

Web制作コンサルタントも行っているとあり、ネットビジネスに関するアイデアを期待して購入しました。

本書は、いわゆる一般的な物販の営業を念頭に書かれていますので、直接ネットビジネスに関する項目があるわけではありません。

しかし、ネットビジネスで物販をするのであれば、通じるところも多くあります。

特に、ネット上では顔が見えないこともありますし、メールによるアプローチも飽和状態ですから、DMが開封まで行き着くのも困難です。

そんな中で、ネットで「一度売ったお客様に、三度売る」ことを考えながら読みました。

さて、本書は「新規開拓の営業はあきらめなさい」という言葉から始まります。

何でも、新規開拓の営業コストは、既存顧客をフォローするコストに比べ、5倍にも及ぶそうです。

それならば、と納得したくなりますが、そもそも既存顧客のフォローでビジネスが成り立つ規模の、顧客リストを持っていることが前提であることに注意しなくてはいけません。

立ち上げたばかりのビジネスでは、新規開拓はやむを得ないとも言えるでしょうか。

一度買ってくれた顧客は、二度目は割合と製品を購入してくれるものだといいます。

難しいのは、三度目から。

二度目と三度目の販売の壁を越え、三度目の販売につなげる手法が解説されています。

概して、多くの営業は、売りっぱなしのケースが多いようです。

三度の販売を念頭に置くならば、まず一度売った既存の顧客の現状を分析し、二度目の販売への備えを検討するところから始めることを著者は勧めています。

顧客の情報を整理した上で、コミュニケーションをとり、使用中の製品の感想などを聞きながら、顧客の情報もアップデートしていきます。

時間を置かずに、継続的なコミュニケーションを続け、二度目、三度目へのアプローチに備えます。

本書では、その際に用いる戦略として、「シナリオを描く」「質問力をみがく」「洞察力を高める」「提案力を高める」「効果的なプレゼンを行う」といった項目があげられていて、各戦略について細かな説明がなされています。

興味深かったのが、「再訪問の口実として使ってはいけないフレーズ」というところ。

「お忙しいところ、恐れ入ります。」

「少々お時間よろしいでしょうか。」

「今お近くまで来ているのですが、伺ってもよろしいですか。」

いずれも、普通に使ってしまいそうなフレーズですが、著者の村山哲治氏によると、相手に不快感を与える可能性のあるNGワードだと言います。

いずれも、ふさわしい別の言い回しが紹介されていて、言われてみると納得できます。

もう一点あげるならば、「クロスセル」「アップセル」を取り上げた箇所。

レコメンドサービスとして、目的の商品に関連する商品を提案する中で、「クロスセル」を行う重要性を著者は説いています。

実際の営業の現場では、この「クロスセル」を躊躇する人が多いそうです。

しかし、村山氏は、クロスセルは「お客様のために、提案する営業方法」で、言わば営業マンの使命であると断言しています。

この本のタイトルである、「一度売ったお客様に、三度売りなさい!」にも通じますが、本当に顧客の利益となるならば、躊躇することなく、後ろめたく思うこともなく、使命として売る、というのが著者の姿勢。

私も、こちらの売る気ばかりでは、引かれるのでは、と思っていた口ですが、この姿勢に触れて腑に落ちました。

ついでに、アップセルについては、顧客のニーズとタイミングが合ったときにのみ提案が有効である、としています。

本書は、営業のいろはから、細かなテクニックまで、かなり広範に網羅しています。

私は、営業に関しては門外漢ですが、顧客の視線に立ってみても、こんな営業ならば買わないまでも話しが聞きたい、と思う例話が多く書かれています。

逆に、顧客のフォローにしても、二回目、三回目の購入へのアプローチにしても、実際の営業現場でなおざりになっている実態を実感します。

車の営業は売りっぱなし、保険の営業は挨拶にも来ない、自分の都合のいいときだけ現れる営業が、身の周りにあふれていませんか。

実務として営業をされている方には、ヒント満載の有意義な一冊だと思います。

営業について学びたい方、マーケティングのヒントを探している方にもお薦めします。







posted by Ken at 06:01 | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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